野見山暁治のアトリエから
6月21日(金)~7月6日(土)
時間:12:00-19ː00
休み:6/24(月).28(金).29(土).7/2(火) (通常とは休みが異なりますのでご注意ください)
野見山暁治さんがお亡くなりになられてから一年、先生の言葉の数々を思い返しては想いを巡らせています。
本展では、糸島のアトリエにありました、野見山さんのコレクション作品と野見山暁治の版画を展示いたします。
ご高覧いただければ幸いです。
[出品作家]
野見山暁治、青野貴久子、上田宇三郎、エミリー・トマドヴァ、小山松隆、加藤清美、鎌谷伸一、清塚紀子、坂口國男、福岡奉彦、堀井英男
[野見山 暁治](NOMIYAMA Gyoji)
1920年福岡県生まれ。38年上京し、東京美術学校油画科予科に入学。本科2年生の頃から”池袋モンパルナズ”と呼ばれたアトリ工村に暮らし、フォーヴィズムの絵画に傾倒する。43年東京美術学校油画科卒業。応召の後病を患い、45年福岡の療養所で終戦を迎える。48年再び上京。50年最初の個展開催。この頃、郷里の福岡にしばしば戻り、筑豊の炭鉱風景を描く。52年渡仏。58年安井賞受賞。64年帰国。無所属となる。68年東京藝術大学助教授(72年教授)に就任(81年辞職)。78年『四百字のデッサン』で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。92年芸術選奨文部大臣賞受賞、94年福岡県文化賞受賞、96年毎日芸術賞受賞。2000年文化功労者顕彰。全国の戦没画学生の遺作を窪島誠一郎氏とともに収集、それらを展示保存する「無言館」(長野県上田市 97年設立)にも尽力した。2014年文化勲章受章。
著書『さあ絵を描こう』(河出書房新社)、『パリ・キュリィ病院』『絵そらごとノート』(筑摩書房)、『一本の線』(朝日新聞社)、『しま』(光村教育図書)、『署名のない風景』『うつろうかたち』(平凡社)、『アトリエ日記』『続アトリエ日記』(清流出版)画文集「目に見えるもの』(求龍堂)、『遠ざかる景色』(みすず書房)、『とこしえのお嬢さん』(平凡社)など多数。月刊誌「美術の窓」にて「アトリエ記」を亡くなる直前まで連載。
主な回顧展は83年の北九州市美術館、96年練馬区立美術館、2003年東京国立近代美術館、2011年石橋美術館・ブリヂストン美術館、2023年久留米市美術館等。
他、個展多数。2023年6月22日死去。享年102歳。
[青野貴久子] (AON Kikuko)
愛媛県に生まれる。
[上田宇三郎] (UEDA Usaburo)
1912福岡市に生まれる。京都在住の日本画家・平川晃生に師事。1947年に赤星孝、宇治山哲平、久野大正、山田栄二と朱貌社を結成、28年の解散まで、抽象化された色面の対比が際立つ裸婦などを発表する。1964年死去。
[エミリー・トマドヴァ]
[小山松隆] (OYAMATHU Takashi)
1945年山形県に生まれる。1969年東京藝術大学美術学部絵画家卒業。76年ブラットフォード国際版画展(イギリス)。80年日本現代版画展(チューリッヒ)。83年中華民国国際版画展(台北)。91年第2回浅井忠記念展。92年木版画‐、明治末から現代(練馬美術館)。版画学会員。
[加藤清美] (KTO Kiyomi)
1931年 東京都に生れる。58年日本大学演劇科中退。駒井哲郎に師事する。59年から春陽展に出品し、翌年、春陽会賞を受賞。66年養清堂画廊にて「銅版画展」を開催。76年には横浜市民ギャラリーにて企画展「加藤清美展」が開催される。個展としては、「銅版画展」(大阪フォルム画廊、1969~75年まで毎年)、「油彩展」(同画廊、1977~85年まで毎年)、「銅版画展」(ギャラリーユマニテ、1987~93年まで毎年)など発表を重ねる。主なグループ展に「超現実絵画の展開展」(東京国立近代美術館、1960年)、「第2回東京国際版画ビエンナーレ展」(同館、1960年。62、63年も出品)、「版画協会展」(東京都美術館、1962~94)、「今日の作家65年展」(横浜市民ギャラリー、1965年)など。77年(昭和52)に春陽会を退会。86年日本版画協会理事に就任。2020年、死去。
[鎌谷伸一] (KAMATANI Sinichi)
1948年兵庫県に生まれる。75年東京藝術大学大学院版画専攻修了。79年英国国際版画ビエンナーレ展(ブラッドフォード)、第11回東京国際版画ビエンナーレ展(東京国立近代美術館)。86年現代版画の表現と技法展(東京練馬区立美術館)。87年リュブリアーナ国際版画ビエンナーレ展。個展多数。
〈パブリックコレクション〉 東京国立近代美術館、東京都美術館、ブリヂストン美術館、大英博物館、栃木県立美術館、町田市立国際版画美術館、埼玉県立近代美術館
[清塚紀子] (KIYOTHUKA Noriko)
1940年旧満州に生まれる。1968年東京芸術大学大学院油絵専攻を修了。’70年 第7回東京国際版画ビエンナーレ展出品、’71年第39回日本版画協会展で会友賞を受賞。’72年第4回クラコウ国際版画ビエンナーレ展、第3回フィレンツェ国際版画ビエンナーレ展、76年第1回西太平洋国際版画ビエンナーレ展など海外実績も多い。’76年第12回現代日本美術展で東京国立近代美術館賞を受賞するなど受賞歴も多い。
銅版画の様々な技法を用いてイメージを合成する作風から、1970年代前半に幾何学的表現を導入し、さらに鉛箔の上にプリントして物質感を強調した表現や、コンデンサーやチューブを付着させるなど意欲的に新しい表現を試みている。
〈パブリックコレクション]〉東京国立近代美術館、国立国際美術館、福岡市美術館、大阪中之島美術館、徳島県立近代美術館、大分県立美術館、和歌山県立近代美術館、町田市立国際版画美術館、栃木県立美術館
[坂口國男] (SAKAGUCHI Kunio)
1938年東京都生まれ。68年東京藝術大学大学院修了。70~75年フランス政府給費留学生として渡仏。76年~89年東京セントラル絵画館・高島屋・日本橋三越個展。76年~98年黎の会同人。1988年~2004年金沢美術工芸大学教授。
[福岡奉彦] (FUKUOKA Tomohiko)
1945年佐賀県に生まれる。70年東京藝術大学大学院油画専攻修了。72年東京藝術大学大学院版画専攻修了、独立展、独立賞受賞。75年個展(シロタ画廊)。80年個展(みゆき画廊)。88年現代美術選抜展(文化庁主催)。安井賞展(88,90,93,95)出品。96年個展(日本橋三越)。
[堀井英男] (HORII Hideo)
1934年茨城県に生まれる。60年東京芸術大学美術学部絵画科卒業。67年第35回日本版画協会展で日本版画協会賞。69年第8回リュブリアナ国際版画ビエンナーレに出品。74年日本現代版画展(パリ市立近代美術館)に出品。91年創形美術学校校長就任。94年東京都府中市で死去。2012-13年「水から生まれる絵-堀井英男の版画と水彩-」展(茨城県近代美術館)開催。
野見山暁治 「旅立ちの日」
リトグラフ、415×475㎜、ed.35、1985年