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まなざしを借りて

2020.6.23

まなざしを借りて

EUREKAでは、2020年7月2日(木)から12日(日)まで、名もなき実昌さんの企画による「まなざしを借りて」を開催いたします。

名もなき実昌さんは、自身の作品制作と並行して展覧会の企画やキュレーションなどの活動を展開しています。

本展では、東京を中心に活動する作家3組の映像作品を紹介します。

 

「まなざしを借りて」

参加作家:キュンチョメ、小林太陽+ヤグチユヅキ、竹内公太

企画:名もなき実昌

会期: 前期 2020年7月2日(木)~7月5日(日)  後期 2020年7月9日(木)~7月12日(日)

時間: 木・金 16:00~20:00       土・日 12:00~20:00

※会期中作品が入れ替わります。

会場: EUREKA/エウレカ

 

*ご来廊の方へのお願い

・マスクの着用と、入り口にて手指の消毒のご協力をお願いいたします。

・混雑が発生した場合は、ご鑑賞の制限をすることがございますのでご了承ください。

 

映像作品の展示になりますが、ギャラリーでの換気を重視し、扉や窓の開放など細かく気をつけて開催いたします。

ご不便をおかけしますがどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

[まなざしを借りてウェブサイト]

http://namonakisanemasa.com/exhi/manazashi/

 

【展覧会によせて】

今回、名もなき実昌キュレーションによるグループ展「まなざしを借りて」を開催します。本展では東京を中心に活動する若手作家3組の作品を福岡で初めて紹介し、その作品のなかでも映像作品にフォーカスを当てて展示を行います。本展ではコロナ禍により関心が薄れつつある、米軍基地問題や震災など”いま”の日本が抱える問題をテーマとして扱う作品を展示します。これらの問題はあまりにも複雑であり、一概に結論を用意できるものでもありません。なので、本展ではこれらの問題への関わり方について模索します。それは、日常生活を送るうえでこれらの問題を強く意識することのない、福岡といういわば”当事者性”の薄い土地だからこそ、別の視点を浮かび上がらせることができるのではないかという考えに基づき、実際にその渦中に身を置かない、ある種不誠実ともとれる関わり方により、対立の外側、他者としての関わり方を検証します。

名もなき実昌

 

[トークイべント]

石原雅也、布施琳太郎、名もなき実昌

日時:7/4(土)18:30~19:30

 

感染対策のため定員を10人とさせていただきます。

お申込みはギャリーのメールアドレスへお願いします。

eureka@cap.ocn.ne.jp

 

 

《参加作家》

キュンチョメ KYN-CHOME
ホンマエリとナブチの男女二人によって結成されたアートユニット。自らの嗅覚と欲望に従って国内外各地に中長期にわたり滞在し、行為(アクション)、リサーチ、インタビュー、映像制作を繰り返しながら、その土地の最もコアな現実に切り込んでいくスタイルで活動している。これまで福島、石巻、沖縄、香港、ベルリンなど、社会の分断を抱えた地域での活動を、主に映像インスタレーションとして発表。科学や論理を超えてなお人々が信じようとする「現代の信仰」の対象を探り、そこに渦巻く感情や真実をあぶり出す作品群は、加害者と被害者、当事者と非当事者、善と悪の境界線を揺さぶり、詩的かつユーモラスに異次元へと昇華させる。

 

小林太陽 Taiyo Kobayashi
1995年、東京都練馬区生まれ。2016年、ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校 第二期にて自身のアーティスト活動を開始。キャラクターなどの第三者を媒介に、作家自身と他者との関係性をテーマにした映像作品を制作。また、作家活動と並行して2017年12月より、東京・西荻窪にあるオルタナティブスペース「画廊跡地」(旧・中央本線画廊)の企画・運営を行っている。

主な参加展に、2019年「お前からはいつだって予感がする」(画廊跡地)、2018年「破滅*アフター」(六本木ヒルズA/Dギャラリー)、「カオス*ラウンジX ポタティックドリーム 実質ヴァーチャルの冬」(中央本線画廊)。中央本線画廊名義にて「現代美術ヤミ市」BUCKLE KOBO(東京、2018年)。

 

ヤグチユヅキYuzuki Yaguchi

2000年、宮城県石巻生まれ。石巻市在住。エンジニア・トラックメイカーとしても活動する。主にサンプリングを用いた再作を行う。主な参加展示として「Reborn Art Festival 2019」(2019・宮城石巻市)、「新しい民話のためのプリビジュアライゼーション」(2018・宮城石巻)がある。

 

竹内公太 Kota Takeuchi

1982年生まれ。2008年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。現在は福島県を拠点とし、丁寧なリサーチをもとに、社会における記憶や記録とメディアのあり方を浮き彫りにする作品を手がける。主な個展に、東京電力福島第一原発ライブカメラのモニターに現れた「指差し作業員」の代理人として、災害を見る側の意識と匿名表現者の意識を浮き彫りにする「公然の秘密」(SNOW Contemporary、2012)や、福島県いわき市の図書館で出会った書籍に掲載された石碑巡りのトレースを出発点とした「写真は石碑を石にする、それでも人は」(同、2017)などがある。また15年からは福島第一原発周辺の帰還困難区域内を会場とした「Don’t Follow The Wind」の実行委員を務めるほか、2019年には黒瀬陽平キュレーションの「TOKYO 2021 “un/real engine――慰霊のエンジニアリング”」(TODA BUILDING 1F)に参加。

 

《キュレーション》

名もなき実昌 Namonaki Sanemasa

1994年、福岡県生まれ。2013年よりTwitterで取得したアカウント名で活動し、インターネットにおける人格や画像と、アニメキャラクターの類似性をテーマに作品を制作。ペインティングやドローイングを中心に、画像的に解体されたキャラクターが「幽霊的」に偏在するイメージを描き続けている。近年では「パープルーム大学 尖端から末端のファンタジア」(ギャラリー鳥たちのいえ、2017) 、カオス*ラウンジ新芸術祭2017 市街劇「百五〇年の孤独」(福島県泉駅周辺、2017〜18)や「TOKYO 2021 “un/real engine――慰霊のエンジニアリング”」などの企画展への参加やワタリウム美術館オンサンデーズでの個展、「(平成)最後の名もなき実昌展」熊本市現代美術館での2人展「終わるまで終わらないよ」、等リアルなアートシーンでの表現にも取り組んでいる。

 

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◆ 前期上映スケジュール   ※入退場自由

『完璧なドーナツをつくる』(110分)

7月2日(木)・7月3日(金)

(1)16:00~17:50

(2)18:00~19:50

7月4日(土)

(1)12:00~13:50

(2)14:00~15:50

(3)16:00~17:50

7月5日(日)

(1)12:00~13:50

(2)14:00~15:50

(3)16:00~17:50

(4)18:00~19:50

 

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[前期出品作品]

キュンチョメ『完璧なドーナツをつくる』

2017年から2018年に沖縄を舞台に制作された映像作品。キュンチョメが、「アメリカのドーナッツと、沖縄のドーナッツ(サーターアンダギー)を合わせ、完璧なドーナッツを作ることはできないか」という計画を、沖縄に在住あるいは関わりのあるあらゆる人物に投げかけ、多様な答えを引き出すことで、沖縄の問題の複雑さと、その回答の難しさを可視化させていく。

 

[後期出品作品]

竹内公太『盲目の爆弾、コウモリの方法』

第二次世界大戦時の1944年から翌年にかけて日本軍が投下した「風船爆弾」の歴史を題材とした映像作品。2017年に旧原子力開発施設の視察と戦争関連の調査のためアメリカで6ヶ月のレジデンス時に、日米をまたいで行ったリサーチを元とした本作は、当時の記録をたどり、ドローンを使用した風船爆弾の軌道の再現から現代のテクノロジーに至るまでの様々な情報が時につながり、反響し合い、メディア・記録技術の在り方について問いかける。

 

小林太陽 『お前からはいつだって予感がする』

宮城県石巻市の浜近くには、先の震災による津波で行方不明になってしまった仏像がある。寄っては返す波の飛沫に濡れたか、名を「濡仏(ぬれぶつ)」という。

濡仏は、鋳造後、京都から石巻まで船で運ばれている際、海難に出会い行方不明になってしまったが、数十年後にひょっこり石巻に戻ってきた、というおとぎ話のような伝説がある。

流れ仏の伝説の真偽はさておき、もし濡仏が本当に「自分が帰るべき場所がわかる」というのならば、津波に流された今、いつ再び石巻に戻ってきてもおかしくはない。しかし今後戻ってくることは当分ないだろう。波打ち際に巨大な防潮堤ができ、海から濡仏の「帰るべき場所」である台座を見えなくしてしまったからだ。現在、未だ濡仏は行方不明だ。

ヤグチユヅキは2002年生まれ、宮城県石巻に住む高校三年生で、音楽・映像制作からプログラミングなどの技術を持ち、10代ながらも膨大なオタク知識を持つ僕の友人だ。

彼自身はとても活動的だが、それゆえに「被災地に生まれ育った未来を担う高校生」という体で、周囲の大人から時に叱咤され、時にちやほやされる。

彼は非常にクレバーだが、そうなりきれていないところがあるとすれば、大人にそう見られていることを十分に分かっているけれども、しかしそのことに対して半身で嫌悪し呆れているところだ。

ぼくとユヅキは2年前の芸術祭で初めて石巻に訪れた時に知り合った。東京にいるぼくは、震災がなかったら石巻にいるユヅキとは出会わなかっただろう。

実はぼくらは、一度も当時のことについて話したことがない。ぼくは特に話す必要はないと思っている。ぼくはユヅキのことを通して震災について考えているんじゃなくて、きっと震災を通してユヅキのことを考えているんだと思う。

ユヅキの隣をどうすれば歩けるか。そう考えて、ぼくはユヅキに向き合った。けれど向き合っていては、隣を歩けないことを知った。

隣を歩くには、ふたりじゃ足りないことに気づいた。

 

ヤグチユヅキ『silent』

震災後の石巻は、祈念公園の建設場所にも指定されるように、数ある被災地の中でも際立って復興が進められた土地のひとつだった。2018年にはふたつきに一度程度石巻に通っていたけれど、毎回どこかが変わったりしてた。

《お前からはいつだって予感がする》の制作は、ユヅキが今の石巻の街と南浜をロケ地にしてMVを撮影したいと話してたことがきっかけになってて、それを受けて僕は最初「ユヅキが電話越しに今見ている石巻の街を、東京にいる僕が聞きながらふたりで歩く」という作品を作ろうと思ってた。

結局濡仏が間に加わったけれど、MV《silent》は初期の構想のまま、ユヅキ自身が撮影/レコーディング/出演し、変わりゆく街・石巻を当時のユヅキの視点から捉えて唄った作品になった。ユヅキがよく訪れる場所から、街から自宅まで(おそらく)親の運転する車の中から撮影したショットだったり、それから僕もよく知らない場所もたくさん出てくる。今回の展示に出展していいかと話したら、携帯で撮影して音質が最悪だからリミックスしたいと言っていた

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「まなざしを借りて」

参加作家:キュンチョメ、小林太陽+ヤグチユヅキ、竹内公太

企画:名もなき実昌

会期: 前期 2020年7月2日(木)~7月5日(日)  後期 2020年7月9日(木)~7月12日(日)

時間: 木・金 16:00~20:00  土・日 12:00~20:00

会場: EUREKA/エウレカ

住所:〒810-0074  福岡市中央区大手門2-9-30-201

TEL:092-406-4555

お問い合わせ:eureka@cap.ocn.ne.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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